伝わらない気持、迫り上がる欲望、男と女の心と躯が揺れる。<br />立ち昇る繊細で濃密なエロス。<br />別れ話の後でもう一度欲求を感じた石野は、狡い? 卑しい? 自問しつつ、紗英(さえ)に手を伸ばしたが……(「後味」)。<br />結婚七年目にして初めて独身女性の部屋に入った浜田は、弘美の「だめ」の意味を図りかね……(「性根」)。<br />他四編。<br />男と女の情愛を描いて人気沸騰の著者、初登場。<br />