加賀藩の若き侍・大槻伝蔵は、その経済感覚を買われて藩主・前田吉徳の寵臣となり、藩の財政再建に取り組む。<br />しかし、二百三十石取りから三千三百石取りの大身に出世した伝蔵に、反目する前田土佐守ら守旧派による逆襲が待ち受けていた……。<br />巷説、俗説にまみれた「お家騒動」の実態を追究し、‘極悪非道の逆臣’とされてきた伝蔵の真の人間像を描き出す長編歴史小説。<br />