「たくらみはそもそも、肉体と心をばらばらに切り売りできると考えたところに始まっていた。<br />私は肉体を男に売って、女の精神の自由を確保したいとねがった」そうして、「私」は結婚したが……。<br />自分の生き方を貫き生活力に欠ける夫。<br />厳しい舅(しゅうと)と病気の子ども。<br />家庭の内と外、女、妻、母としての奮闘を鮮やかに描く自伝的小説。<br />(『犬と猫のはなし』改題)