少女が神隠しに遭い、居るはずのない子供たちの笑い声が聞こえる……。<br />「化け物屋敷」と噂される友人宅の古家(ふるや)に滞在した「私」は、いつしか「家が見せる夢」に憑(つ)かれていく――(表題作)。<br />雨の夜、裏路地に蹲(うずくま)る影。<br />それは雨粒が象(かたど)った朧気(おぼろげ)な女性の輪郭だった。<br />妖しい美しさに惹(ひ)かれた男は……(「幻の女」)。<br />怪異蒐集家としても名高い著者による、甘美な幻想譚7編。<br />