「おまえに殺された女は、俺のおふくろだ」売春婦を斡旋した容疑で取調べをしていた坂本トミに、私は言った。<br /> かつて、トミは、玉の井の娼館で働く母・平山つや子を殺し、服役したのだ。<br />だが、彼女は殺害を否定した! 刑事ではなく個人として、私は「過去」を探り始める……。<br />(私娼窟の女) 遠い過去からよみがえる真実。<br />情感あふれる連作推理の傑作!