八代将軍吉宗の頃、全身黒装束の異形の日本左衛門が率いる一味が、東海道筋を荒らし回っていた。<br />ある日、左衛門は御油の豪農・長右衛門の娘・佐和を凌辱せんと画策、襲撃する。<br />だが、佐和を妹のように可愛がる柳生流の達人・高田賛四郎に阻まれた。<br />やがて佐和は婚約し、その祝言の夜、ふたたび左衛門が襲い、彼女を凌辱して逃亡した……。<br />長編時代ロマン。<br />