菅沼寿夫(すがぬまとしお)は、かつてやくざの構成員だった。<br />14年前、組を狙う組織との抗争の渦中で、拉致拷問を受け、恩ある幹部を敵に売り、死なせた過去を持つ。<br />ある日、ひっそりと暮らす彼の元に別れた愛人が訪れ、行方不明の甥の稔(みのる)を探してほしいという。<br />稔は菅沼が裏切った幹部の息子だ。<br />彼は男の誇りを取り戻すべく、歪んだ欲望や暴力の世界へ身を投じていくが……。<br />