大阪の港町で居酒屋を経営する藤太(とうた)の元へ、中学の同級生・秋雄(あきお)が少女ほづみを連れてきた。<br />奇妙な共同生活の中で次第に心を通わせる二人だったが、藤太には、ほづみの母親・いづみに関する二十五年前の陰惨(いんさん)な記憶があった。<br />少女の来訪をきっかけに、過去と現在の哀しい「真実」が明らかにされていく――。<br />絶望と希望の間で懸命に生きる人間を描く、感動の群像劇。<br />