入社して六年のサラリーマン、山本甲介。<br />出世の見込みもなく、雑用を押しつけられる鬱々(うつうつ)とした日々。<br />そんな甲介の前に突然、中学時代の同級生・保坂(ほさか)が出現する。<br />今はヤクザとなった保坂は、拳銃と現金の入ったバッグを甲介に託し死んでいった。<br />たまりきった憤懣(ふんまん)と怨念が拳銃を手にしたとき、運命が動く! 抑圧される人間の狂気を執拗に描写した新境地の問題作!