妻を陵辱した不良学生を殺した須賀原純は、将来を嘱望された若手官吏だった。<br />情状酌量され、五年の執行猶予判決。<br />それもあと11日で自由の身になる……旧友が突然来訪したのはそんな大事な時だった。<br />「人を殺した。<br />アリバイ作りに協力してくれ」――複雑な人間のもつれを鮮烈に捌き、アリバイ打破に新機軸をみせる傑作推理。<br />