「天魔」「仏敵」と誹(そし)られ、畏(おそ)れられた室町六代将軍・足利義教(よしのり)。<br />残虐非道の限りを尽くした男の心に巣くう凄絶な‘闇’とは?(「荒墟(あれつか」)。<br />邪教・立川流秘具を手にした後醍醐天皇は、洛中(らくちゅう)の‘夜の声’すべてを聴く力を身につける。<br />しかし、そこには底の知れない狂気の世界が待ち受けていた……(「夜の耳の王」)。<br />恐ろしくも美しい、戦慄の全六篇!