昭和10年、超特急燕号は、奇妙な事件に巻き込まれた。<br />走行中に起きた殺人事件、そしてトンネルの中で、機関車と一等車が突然消えた。<br />重なる事件は混迷の度合いを深めていく。<br />伯爵家の出である、四条杉彦と連れの小百合は駆け落ち途中で、この列車に乗り合わせていた。<br />そして、陸軍高官のさる高貴な身分の人物も乗り合わせていたのだった。<br />