三浦老人の話は、およそ二十四、五の短編である。<br />単彩の話題をとらえて、人生の断面を衝き、時代相と生活が渾然と融け合っている……。<br />「江戸」がすっかり懐ろに収まっている趣きである。<br />全十八編収録。<br />