年は二十歳。<br />美人で、家の中に引きこもりがちだった経師屋の女房が、突如、悪女に変身してお上に手数を掛ける。<br />――こんな奇妙な事件となると、さすが腕利きの同心・片山九十郎もお手上げで、深川本行寺の居候に教えを請うた。<br />その居候とは、若き日の俳人一茶で、彼には事件の裏に潜む人間の心を鋭く見通すことができた……。<br />『俳人一茶捕物帳 痩蛙の巻』姉妹編。<br />