我が子を殺すしかない。<br />日増しに酷くなる一人息子・公一(こういち)の家庭内暴力に、妻が殺されると感じた町野(まちの)は悲壮な決意を固めた。<br />その矢先、公一は何者かに轢殺(れきさつ)されてしまった。<br />その日から、町野は重い十字架を背負った……。<br />一方、幼い公一を自分の左腕と引き換えに救った青柳(あおやぎ)刑事も、彼の死を知って……。<br />人間とは何かを一貫して描き出す、社会派推理小説の白眉!