「あなたが陸地で、私が島。<br />互いをつなぐ道は限られたときにしか出現しない」。<br />修学旅行でバスガイドと学生として知り合った蕗子(ふきこ)と私。<br />大学卒業まぎわ、二人は鹿児島の陸繋砂洲(トンボロ)に取り残された(「トンボロ」)。<br />失踪した父を追い、辿り着いた無限に部屋数のあるホテルでの奇妙な出来事(「無限ホテル」)。<br />現実が揺らぐ瞬間のきらめきを鮮やかに描く珠玉の小説集。<br />