山岳救助隊員・紫門一鬼(しもんいっき)は、恐山の血の池地獄で女性の絞殺死体を発見した。<br />衣服には住所と〈鳥羽尚策方(とばしょうさくかた) 杉田夏子(すぎたなつこ)〉の名札が。<br />ところが鳥羽は、女性に心当たりはないという。<br />やがて身元は判明するが、容疑者さえ浮上せず、事件は暗礁に。<br />半年後、北アルプス山中で見つかった女性の死体――そこにもまた〈鳥羽〉の名が……。<br />謎が謎を呼ぶ、山岳ミステリー!