事件は、商産省の組合の秘密闘争計画が、省側に筒抜けになっていて、スパイが発見されたことが発端だった。<br />裏切り者の組合員と、彼の内縁の妻と誤認された女性が殺された。<br />二つの事件の容疑者も事故で死んだ。<br />事件全体に釈然としないものを感じた警部補。<br />鉄壁のアリバイ。<br />密室で姿を消した凶器。<br />乱歩賞次席ながら世に出た、笹沢推理文学の輝ける出発点。<br />