「抱いて……」。<br />翻訳家・関川章が、深夜の路上で出会った謎めいた美女は、思いもかけない言葉を囁(ささや)いた。<br />女は、岡山県下でも有数の実業家の一人娘・高林梨沙。<br />彼女を追い、東京を発った章だが、梨沙には非の打ち所のない婚約者が! そんな女がなぜ? それは予想もしなかった事件の始まりだった──。<br />2組の男女の情愛を濃やかに描き、心に沁みる傑作長編!