魔が差して洋服を盗んだ女と、それを見ていた男。<br />捕(つか)まりたくない……その一心で女は男の奴隷(どれい)になり、屈辱(くつじょく)の一年を送った。<br />そして女が自分に出した結論は「殺すしかない……」だった。<br />だが悪魔からの解放を願う女を待っていたものは?(表題作)。<br />愛が生みだす悲劇を描いた笹沢作品群は、その意外な結末で、宿命に踊らされた人間の儚(はかな)さを見事に浮かび上がらせる。<br />