遥花(はるか)は、奔放なふたごの姉・美月(みづき)に複雑な思いを抱いていた。<br />常に比べられることへの反発――。<br />が、二人が選んだ相手もまた、ふたごの兄弟だった。<br />傍目(はため)には幸せなカルテットの誕生だったが、新婚間もない美月が、突然、謎の失踪(しっそう)を遂げた。<br />後に残されたひと瓶の香水が引き起こす思わぬ愛憎劇とは? 深い内面描写にスリリングな展開。<br />期待の俊英による書下ろし長編!