塚原(つかはら)マチは本好きで気弱な中学一年生。<br />ある日、図書館で本をめくっていると一枚の便せんが落ちた。<br />そこには『サクラチル』という文字が。<br />一体誰がこれを? やがて始まった顔の見えない相手との便せん越しの交流は、二人の距離を近付けていく。<br />(「サクラ咲く」)輝きに満ちた喜びや、声にならない叫びが織りなす青春のシーンをみずみずしく描き出す。<br />表題作含む3編の傑作集。<br />