下総無宿、夜番の丹次郎は、孤独の影をひきずる旅鴉。<br />「下手人は必ずおれが、たたっ斬る」顔馴染みになった小料理屋一家を、無残にも殺害した群雲の伝兵衛。<br />丹次郎は仇を討つべく、その無宿者のあとを追った。<br />ついに追い詰めた。<br />しかし伝兵衛は国定忠治に斬られ、ふしぎな三つの言葉を残して死んだ。<br />推理小説的手法を用い、股旅小説に新風を送る傑作。<br />