天保十一年七月。<br />岩井村の少年茂太(しげた)は、幼なじみのおりんと共に滝不動の祭礼へ。<br />そこで笹川繁蔵の用心棒・平手造酒(ひらてみき)の居合い抜きに驚嘆し、やがて弟子入りを果たす。<br />だが、すでに病魔に冒されていた造酒は、笹川―飯岡の大利根の決闘で惨死した。<br /> 強欲非道、無法の世界を舞台に、やくざとは、…庶民の人生とは何かを問う。<br />真の任侠道を求めた男の青春像を活写。<br />