娘が着メロに入れてくれた昔の唱歌「歩くうた」が、老父との思い出を甦らせた。<br />ふとしたことで知った、子供時代の父の身に起きた事件とは?(表題作)子供はいらないと言い続けてきた夫が、突然「子供を作ろう」と言い出した。<br />妻の脳裏を、15年前に起きたある殺人事件が過(よぎ)る――(「十五年目の子」)。<br />読後、深く心に残る人生の機微(きび)。<br />