葛城仙渓(かつらぎせんけい)は、門弟350万人をかかえる華道・葛城流の家元である。<br />京都府下の小都市に本拠をもつが、歴史は古く、日本最大級の組織を築き上げた。<br />だが、内部の腐敗は目を覆うばかり……。<br />手形の乱発、脱税容疑、夫婦の亀裂、兄弟の争いと、花にそむく醜さである。<br /> 著者は何やら実在しそうな仙渓の身辺をサスペンス風に追跡した。<br />