父と娘の年齢差。<br />しかし、空港で二人を見かけた者はみな、奇異な印象を受けた。<br />小利根志郎(ことねしろう)は56歳、暗く長い過去をもつ中年男。<br />花村絵美子(はなむらえみこ)は18歳、まだ手つかずの長い未来をもつ美少女。<br />二人は、マドリードからカナリア諸島へ、そしてパリへと観光旅行をつづけながら、次第に男と女の愛に目ざめていった。<br />危険で不思議な愛の形を、鮮(あざ)やかに描いた恋愛小説。<br />(『あれはブローニュの森』改題)