天正九年十二月、信長は、織田軍によって焦土と化した伊賀を巡視後、館に戻り、眠りについた。<br />夜半、目を覚ました信長の傍らに黒装束の男が一人…。<br />男は伊賀者の将・百地丹波と名乗った。<br />伊賀者の助命を請う百地の願いを一笑にふした信長だが…。<br />本能寺の変を大胆な発想で描く表題作のほか、戦国から明治へ、各時代に生きた人間たちを活写する贅沢な歴史小説集。<br />