池谷幸雄は、伯父長原家の三人をつぎつぎ惨殺していった……。<br />石油王長原家の莫大な資産を一人占めした憎い一家。<br />サラ金の返済期限が目前に迫っていた幸雄は、伯父に借金を申しこんだが、にべもなく断わられてしまったのだ。<br />――綿密な心理描写で、戦慄すべき凶悪犯罪のなかに塗り込められた「人間の怕さ」「罪と罰」を浮き彫りにする、推理小説を超えた推理小説。<br />