「壁を突き破り、空中を飛揚(ひよう)して落ちた」としか思えぬ不可解な死。<br />――はるばるフランスから移築された、奇怪な大蛇の幻影がまとわりつく‘オランジュ城館’では、じつは25年前にも同様な事件が起きていた。<br />館主を巡る過去の複雑な男女関係の因縁から、事件の渦中に巻き込まれた人々を、巧妙に操って行く蛇遣いは、果たして誰か――。<br />本格推理の女流が放つ会心作。<br />(『蛇つかいの悦楽』改題)