ある朝、勤勉な主婦・文枝は何もしない女になっていた。<br />家事一切はもちろん、パート仕事にも行かず、一日、家にいるだけ。<br />文枝は、何もしなくてもいいという、神のお告げを受けたらしい。<br />困った家族は、叔母の花枝に依頼し、文枝を預かってもらうのだが……。<br />(表題作) 心の隙間に宿る闇が、人びとの日常を次第に蝕む恐怖を描く、連作小説!(『痛いひと』改題)