岡豊(おこう)城の城主は、城内に石牢を設け、みずから裁く罪人を入れておいた。<br />そして、裁きの場では、神のごとく罪人の胸中を察し、空恐ろしいまでに罪状の虚実を看破した。<br />領民は不思議がり、その〃裁きの石牢〃は、感謝と畏怖の象徴となっていた……。<br />善政の裏にこめられた恐るべき領主の秘密の企みとは何か? 戦国乱世の無常を描く苛烈悲痛の残酷武芸譚!