怒声と哄笑(こうしょう)、砂煙をあげて駆けぬける人馬――覇者・家康が治める江戸。<br />争乱のるつぼで生まれ育ったお六(ろく)は、そんじょそこらの小娘ではない。<br />愛くるしい笑顔の内に、とてつもない図太さを秘めていた。<br />栄耀栄華(えいようえいが)を手に入れたい、我が手で天下を取りたい。<br />――恋も財も地位も、すべてを欲しがった女、徳川家康最後の側室・お六。<br />その激しくも儚(はかな)い生涯を描く傑作長編。<br />