「おまえを見守りながら、ただ静かに泳いでいた」。<br />美しい元オリンピック候補シゲルに惚れてそばで尽くすようになった牛松。<br />そして今、時間のとまった酒場で、自分と同じ、秘めた「愛」を生きようとする息子に父親として語りはじめる。<br />よろこびと苦渋にみちた、過ぎ去った青春の日々を。<br />「愛」を問いつづける作家の宿命のラブ・ストーリー。<br />(『青春 父さんの恋物語』改題)