剣客たちにおそれられる新選組の沖田総司は、男装の美しい天才女剣士であった。<br />惚れた男、土方歳三のためであれば、ひたすら多くの志士を斬りつづける。<br />ついに狂おしい愛憎の刃は、やがて、「この男が死ねば日本は滅ぶ」とまでいわれた大政奉還の立役者・坂本龍馬に向かう。<br />歳三と龍馬のあいだで揺れ動く女総司の情念を通して解き明かす、めくるめく幕末絵巻。<br />