飯干晃一の作品には二つの流れがある。<br />ヤクザの世界を描くアウトロー路線と現代人の生態を追求する情欲路線だ。<br />この本は典型的な後者。<br />レイプあり、殺人ありで、刺激と興奮が行間にまで満ち溢れている。<br />だが、陰気さはない。<br />新聞記者やテレビ解説で磨いた観察眼はユニークな官能ものを生んだ。<br />