大永(だいえい)四年。<br />毛利本家を継いだ元就は、三人の重臣を前に異母弟・元綱の陰謀を打ち明けた。<br />陰謀には重臣二人が加担し、背後に尼子氏の影がちらつく。<br />元就は領内巡視の際、元綱誅伐(ちゅうばつ)を決行。<br />謀叛人たちは一網打尽となった。<br />十八年後、尼子氏との戦いで死地に追い込まれた元就を救ったのは意外にも……(表題作)。<br />大国の狭間で苦闘する毛利。<br />戦国武将たちの死生観を活写!(『奇謀の島』改題)