「あしたならいいわ」という返事に、栄一(えいいち)は心底うろたえた。<br />女ともだちの裕子(ゆうこ)がセックスの誘いに応じるなんて、期待すらしていなかったのだ。<br />ただ、裕子は自分が不感症だと告白。<br />それが原因で恋人から別れを告げられた、とも――。<br />なるほどベッドの彼女は、一見「静かな女」のようだったが……(表題作)。<br />〃女の真実〃は奈辺(なへん)にありや? 瑞々(みずみず)しくて切ない恋愛小説集。<br />