何度電話しても、彼は出ない。<br />志保(しほ)は、敦雄(あつお)の気持ちが自分から離れていることに気付いていた。<br />彼の心を取り戻したい。<br />忘れることなんて出来ない。<br />彼を独占したい。<br />……方法は一つ。<br />彼の骨を、砂時計に閉じこめてしまうこと――(「ひと時の砂」)。<br />表題作を含む、愛(いと)おしく、そして凍り付くような16作品。<br />『ぶたぶた』作者が描き出す、もう一つの代表作!