プロイセン軍を避けて街を出た馬車で、‘脂肪の塊’という愛称の娼婦と乗りあわせたブルジョワ、貴族修道女たち。<br />人間のもつ醜いエゴイズム、好色さを痛烈に描いた代表作「脂肪の塊」と、イタリア旅行で出会った娘との思い出を綴った「ロンドリ姉妹」。<br />短い作家生活のなかで、300を超える中・短篇小説を書き残したモーパッサンの初期作品から、緊密な構成をもち、完成度の高い中篇2作とヴァラエティに富む短篇8作を収録。<br />