出世の野心を抱いてパリで法学を学ぶ貧乏貴族の子弟ラスティニャックは、場末の下宿屋に身を寄せながら、親戚の伝を辿り、なんとか社交界に潜り込む。<br />そこで目にした令夫人は、実は同じ下宿に住むみすぼらしいゴリオ爺さんの娘だというのだが……。<br />バルザックが描く壮大な小説絵巻《人間喜劇》の代表作を、鮮烈な新訳で。<br />(解説・宮下志朗)