猫町に暮らす野良猫のミスジは、憧れていた順松の後を継いで傀儡師となった。<br />さっそく、履物屋の飼い猫・キジから、花盗人の疑いを晴らしてほしいと訴えられる。<br />銅物屋の隠居が丹精していた朝顔の鉢がいくつも割られるという事件が起こり、たまたま通りがかったためにその犯人扱いをされているという。<br />人が絡んでいるとなれば、人を絡めないと始末のしようがない。<br />ミスジは傀儡である狂言作者の阿次郎を連れ出すことにした――。<br />