小説を愛してやまない文芸編集者の澤野逸郎は、文芸誌〈小説○○〉編集長になった。<br />妻と双子の娘に囲まれ、幸せの絶頂かと思われたが、気づけば編集部には鬱が蔓延、作家とのトラブルも続き、やがて多量の薬に溺れるようになる。<br />時を同じくして、部下である新人編集者の豊嶋と不倫関係が始まった。<br />薬と肉欲にまみれた逸郎を、不幸の連鎖が襲う。<br />落ちるところまで落ちた逸郎は、家族とともに、最後の旅に出る――。<br />