根本景子は一人息子・圭一の結婚式当日、その妻となった佳枝に対する殺意を固めた。<br />景子に花束を贈呈する時ニヤリと笑った佳枝の顔に、自分の‘同族’と感じたからだ。<br />その半生で息子を守りたい一心から‘完全犯罪’による殺人を繰り返した姑と、息子を食おうとする嫁。<br />最後まで‘神’になれなかった鬼子母の行く末を描く表題作を含む傑作6編の凄絶なる競演!