「消息を絶った密偵を捜してほしい」――縁切寺慶光寺の御用宿「橘屋」の用心棒・塙十四郎は、元老中の楽翁こと松平定信から密命を受けた。<br />早速、越後入りした十四郎の前に現れたのは、二分された藩の実態と貧困に喘ぐ民百姓の姿だった。<br />藩政を正すために十四郎がとった「秘策」とは――。<br />弱き者への慈しみが溢れた著者の代表シリーズ、四年ぶりの書下ろし第十七弾。<br />