「猫の蚤とりになって無様に暮らせ!」主君の逆鱗に触れた長岡藩士・小林寛之進は、猫の蚤とり――実は‘淫売夫’に身を落とす。<br />下賤な生業と考えていた寛之進だが、次第に世に有用な、むしろ崇高な仕事だと確信する。<br />ところが政権が変わり、蚤とり稼業が禁止に。<br />禁令の撤廃を願い出る寛之進だが……。<br />(表題作)江戸の浮き世を懸命に生きた愛すべき人々の物語、全六編。<br />