時代は2度目の原発事故から2年、恐怖と不安が社会に蔓延している。<br />3年前に2度目の務めを終えた男は、その酒乱を見るに見かねた若頭に、アルコール依存症を治すよう大学病院行きを命じられた。<br />検査の結果、記憶除去療法で有名だという医師から、恐怖という概念が自分に関しても他人に対しても薄い、要するに良心がないと言われ病名を告げられた。<br />人間、どこまで変われるのか……。<br />名著『明日の記憶』の著者が、再び「脳」に挑む。<br />