しがない私立探偵の‘おれ’にとって最重要の顧客「山藤組」組長の山虎が、いきなり引退して堅気になると言い出した。<br />本当なら事務所が潰れかねない大事だ。<br />だが、案の定その裏には、とんでもない魂胆があるようで――。<br />(表題作) ゴリラまがいの悪徳刑事に、金と女に目がない生臭坊主……個性的な面々とのやり取りも楽しい、ユーモラスで痛快な連作ミステリー!