介護老人保健施設の職員・四条典座は、転所してきた認知症の老女・安土マサヲの凄惨な過去に驚く。<br />太平洋戦争の末期、マサヲは自分の子ども二人と夫を殺したというのだ。<br />事件の話は施設内で知られ、殺人者は退所させるべきだという議論になる。<br />だが、マサヲが家族を殺したと思えない典座は彼女の無実を確信、‘冤罪’を晴らすために奔走するが――!? 傑作本格ミステリー!