小間物問屋「遠野屋」の筆頭番頭、喜之助が病に倒れ、主の清之介が看取った。<br />最期にひと言「あんたは災いを運んできた」と遺した彼の遺品から不思議な織の帯が見つかる。<br />一方、ある仕舞屋が火事となり、焼け跡から刺殺された女の死体と焼けた帯が見つかる。<br />そして、ある絵師の描いた大首絵の女もその鶯色の帯を締めていた。<br />同心木暮信次郎と岡っ引伊佐治は、謎めいた帯の奇妙な繋がりを探る。<br />待望の「弥勒シリーズ」第八弾。<br />